「脱炭素社会」はもう古い!:「カーボンマイナス」&「カーボンリサイクル」の「新・炭素社会」こそが、本当に目指すべき社会

アップ・ツー・デートな常識

「二酸化炭素CO2の排出を完全になくすのではなく、排出量を削減すると同時に、排出が避けられないCO2を後から回収して、実質的にゼロにすること」を目指す「脱炭素社会」に対して、その進化系?---それが、人工光合成の技術によって実現可能のようです。

人工光合成とは?

太陽光エネルギーと光触媒を使って水を酸素と水素に分解し、その水素を二酸化炭素と反応させて化学原料を作り出す---水と二酸化炭素から炭水化物をつくる一連のプロセスが、植物の光合成に倣って「人工光合成」と呼ばれています。

人工光合成の意義

ズバリ「カーボンリサイクル」!

2022年2月3日の読売新聞朝刊の一面トップ記事「CO2 豪の海底に貯留」「30年頃稼働へ」---これはこれで脱炭素化へ向けて注目されている技術ですが、回収したCO2を “地中に閉じ込める”---放射性廃棄物の扱いが連想されてしまいます。

これに対して、人工光合成の実用化が実現すれば、工場等から排出されるCO2を回収してそれを再び資源化することができるのです。

カーボンリサイクル---人工光合成こそがクリーンエネルギーの “真打ち” ではないでしょうか?

光触媒を活用した人工光合成は日本が世界をリードする技術

太陽光エネルギーの何%を水素エネルギーに変えられるかという「エネルギー変換効率」は自然界の植物では0.3%ですが、コスト面の問題で商用的に実用化するには最低でも10%のエネルギー変換効率が必要とされるそうです。

(株)豊田中央研究所の2021年12月8日付けのニュースリリースによれば、「太陽光エネルギーを利用して、水とCO2のみから有用な物質を直接合成する人工光合成を、1メートル角サイズのセルにて実証し、このクラスで世界最高の太陽光変換効率10.5%を達成しました。」「将来、工場等から排出されるCO2を回収し、この人工光合成にて再び資源化するシステムの実現を目指しています。」だそうです。

現在の人工光合成では、化学原料を生成することはできても、デンプンや糖といった有機物を生成する技術はまだ生まれていませんが、将来的には、人工光合成を用いた有機物の生成という夢の技術開発が期待できるように思います。

私たちの国・日本が人工光合成の実用化に成功すれば、循環型社会の実現によって地球規模で世の中に貢献することができるのはもちろんですが、日本の「失われた30年」についに終止符を打つことができるにちがいないですね!

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