はじめに:次の条件に当てはまる人には参考になると思います
この記事は、園芸・家庭菜園をこれから始めてみようとお考えの人とまだ初心者段階の人が、私の場合と同じ次の条件に当てはまる場合には、私の園芸・家庭菜園の経験が多少なりともお役に立つように思います。
①お住まいの気候区分が、「寒地・寒冷地」、「中間地(温暖地)」、「暖地」の三区分のうちの「中間地」に当たること。
②お住まいの敷地内の “庭” は、大した広さがないこと。
③地植えできる庭、花壇はなく、鉢、プランター、ベジトラグを使うしかないこと。
④日当たりはあまりよくないこと(最も日当たりの良いエリアでも、夏場で半日程度)。
第一に “環境” に適していること、第二に “好み”
御自身の園芸・家庭菜園の環境に適した植物(種類・品種)であることが前提になりますが、そのうえで、園芸・家庭菜園に充てることができる時間的余裕と予算事情、そして植物ごとの栽培難易度を踏まえたうえで、あくまでも御自身のご判断(お好み)でお選びになることです。
初心者にとっては難易度が高めでも、大好きな植物に挑戦してみることは、ワクワクしますよね。
ロー・メンテナンス&ロー・コスト
でも、特にこだわりがなくどの植物を選ぼうかとお悩みの場合には、初心者のうちは、できればなるべく、ロー・メンテナンスで、かつ、ランニング・コストもロー・コストで育て(続け)ることができる植物のほうが無難だと思います。
私のおすすめは
①零れ種(注1)でも育つ一年草(注2)
②耐寒性も耐暑性も強めで、かつ、開花期間が長いタイプの多年草(注3)・宿根草(注4)
③2年程度なら植えっ放しで大丈夫な球根植物
です。
ただし、私は、これら①~③に加えて、④植えっ放しではダメで球根を掘り上げて保管して次の時季に植え直す必要があるタイプの球根植物、⑤ハーブ類、⑥野菜、⑦果樹も育てています。
(注1)人間が蒔いた種子ではなくて、植物から自然に零れ落ちる種子のこと。
(注2)種子から発芽→生長→開花→結実→枯れるというサイクルが一年以内の草花。
(注3)年間を通じて地上部が枯れずに残っている常緑の草花。
(注4)冬(又は夏)の間は地上部が一旦枯れてしまうが根は生きていて春(又は秋)になったら再び生長する草花。
一年草、宿根草・多年草、球根植物のそれぞれの留意点
一年草については、結実した種子を次の種蒔きの時季に蒔く作業があって、発芽してある程度大きく生長するまでのケアが必要なものが少なくありません。
毎シーズン、種蒔きをして育てるのは面倒なので避けたいという場合には、苗を買ってきて植えるしかありません。ただし、一年草の中には、結実した種子を採種しなくても、いわゆる零れ種となって、翌シーズン自然に発芽して生長していく丈夫な草花もあります。
宿根草、多年草(注5)は、毎年、種蒔きをしたり苗を購入して植え付けたりする必要がなく、毎年花を咲かせてくれます。ただし、一年草と異なり、一般的には開花期が短いものが多いので、開花期が長いタイプのものをお好みの場合には、あらかじめよくお調べになってください。
なお、開花期が長いタイプの草花であっても、開花期間を長く楽しむには、花柄摘み(注6)の作業をこまめにすることがコツです。
宿根草、多年草のもう一つの留意点は、種類・品種によって多少異なりますが、1年~3年程度ごとに一回り大きいサイズの鉢に植え替える等の作業が必要なことです。
球根植物は、花が終わって土中で新しい球根が育ったら、球根を掘り上げて次の植付け時季が来るまで保管する必要があるタイプと、2・3年程度なら植えっ放しにしておいてよいタイプがあります。
どちらのタイプであっても、球根植物を球根を買い直すことなく毎年花を咲かせて楽しみ続けるためには、種子の代わりに次の球根をなるべく大きく育てることがコツです。そのためには、咲いた花のピークが過ぎたら、早めに花柄を摘み取って、かつ、追肥(注7)をすることがポイントになります。
(注5)宿根草、多年草のなかには、原産地では宿根草、多年草だけれども、日本の気候では冬又は夏が越せないで地上部だけでなく根まで完全に枯死してしまうものがあり、その場合は【一年草扱い】になります。
(注6)草花は、咲き終った花柄を摘み取ること。花を結実させるとそちらに養分が取られるために、全体の花つきが悪くなり、株の寿命も短くなったりします。花びらだけを取ってもガクは残ったままなので、結実して種子ができるので、花びらだけでなく、花茎から切り取ります。
(注7)植物の生育中に、土壌の肥料切れが起こらないように追加で肥料を施すこと又はその肥料のこと。
一年草なら、種蒔きの時機と開化期間を照らし合わせてうまく選んで組み合わせれば、同じ一つの鉢で一年間に二種類の植物の花を楽しむことができる
一年草は、同じ一つの鉢で、育つ期間がざっくり言って “春から秋のもの” と “秋から翌春のもの” のローテーションをすることが可能です。つまり、同じ一つの鉢で、一年間に二種類の違った植物の花を楽しむことができます。
このローテーションをする時期はもちろん春と秋です。
毎回苗を買って植え替えるのであれば別ですが、来年は自家製の種子を蒔いて育てようとするのであれば、開花期の初期に咲いた花のいくつかは花柄摘みをしないで種を育てて採るようにするのが、私のやり方です。
※以上、いずれの点も、その詳細はネットで検索していただければ、必要な情報を容易に入手できます。