偽装結婚の重大性と現状
偽装結婚は、刑法上は公正証書原本不実記載、同行使という犯罪です。社会的な信頼関係を破壊し、不正な利益を得るために行われることがあります。特に、外国人と日本人との偽装結婚は、不法移民が人道的配慮等から特別に合法移民として許可されるための悪質かつ巧妙な手段・方法として悪用されることが決して少なくないという事実があります。
他にも由々しき問題が:子どもの不正な国籍取得問題、偽装認知、偽装養子縁組
特に、外国人女性と日本人男性との偽装結婚については、外国人男性との間の子を妊娠した外国人女性が日本人男性と偽装結婚をして出産することで、生まれた子どもに日本国籍を取得させるという由々しき問題を含んでいます(注)。さらには、外国人女性がシングルマザーとして生んだ子に対する日本人男性による偽装認知や、外国人と日本人との偽装養子縁組も同様に重大な犯罪として位置付けられます。
(注)例えば、WEBサイト『PRESIDENNT Online』の2023年6月20日付け記事「本当は日本人になる資格はなかった…フィリピン人夫婦がわが子を 「日本人」 にした秘密の抜け道」を参照願います。
取締りの難しさとその解決への道
プライバシーの観点等から、偽装結婚、偽装認知、偽装養子縁組という手口は、行政当局にとっては取締りが難しい。しかし、関係当局は根気強く対策を講じていく必要があります。
対策の充実強化の可能性
以下は私なりの考えです。
データ分析:ビッグデータ分析などの最新のテクノロジーを活用して、在留資格「日本人の配偶者等」への変更許可申請をした外国人と日本人のカップルのパターンを分析し、偽装結婚の可能性が高いケースを特定します。
協力体制の強化:国内外の関連機関との協力を強化し、偽装結婚に利用される可能性のある外国人の情報を共有します。
継続的なモニタリング:結婚後も定期的にカップルの状況をチェックし、その状況に変化があった場合には再調査を行うことで、問題の早期発見と対策に努めます。
法的な罰則の強化:偽装結婚、偽装認知、偽装養子縁組を行った場合の罰則を強化し、そのような行為への抑止力を高めます。
啓発と理解の促進:偽装結婚、偽装認知、偽装養子縁組に対する認識を深めよう
偽装結婚、偽装認知、偽装養子縁組は不法移民と深く結びついた問題であり、私たち一人一人がその存在と影響について理解を深め、周囲への情報共有から始めることが重要です。これらの課題への社会全体の理解と認識を深めることにより、問題解決への一歩となります。
プライバシーと公共の福祉:バランスの理解が求められる
さらに重要なことは、私たちがプライバシーの保護と公共の福祉という、一見すると相反する二つの価値観の間でのバランスを理解することです。公共の福祉を守るため、適切な範囲でのプライバシーの制限が必要となることを正しく認識しましょう。