祇園祭の華麗なる伝統―山鉾巡行によみがえる日本の魂

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祇園祭:日本の伝統文化の象徴

日本の伝統文化といえば、京都の祇園祭はその象徴とも言える存在です。毎年7月に行われるこの祭りは、数世紀にわたって受け継がれてきた伝統的な行事であり、観光客や地元の人々にとっても特別な時期です。祇園祭の魅力を象徴するのが山鉾巡行です。

山鉾巡行:日本の伝統文化を体現する華やかな行事

山鉾巡行は、祇園祭の中でも最も華やかで見応えのある行事です。7月17日の前祭(さきのまつり)と7月24日の後祭(あとのまつり)に行われるこの巡行では、山鉾が古都京都の街を練り歩きます。山鉾とは、町や通りから疫病の神である疫神(えきじん)を集める依り代(よりしろ)とされています。

山鉾は、室町時代以降には豪華な装飾品などが飾られるようになり、こんにちでは「動く美術館」と呼ばれるほどの豪華絢爛なものになっていて、日本の伝統文化や職人技術が集約されたものとして称賛されています。彫刻や幻想的な彩りが見る者を圧倒し、山鉾には伝統的な楽器や踊りも披露され、観る者に伝統芸能の楽しみも提供されます。

山鉾巡行は祇園祭の中で特に重要な役割を果たしており、日本の伝統文化の魅力を象徴しています。豪華な装飾や伝統芸能が交差する中で、祭りの独特な雰囲気が古都京都に息づいています。山鉾巡行は、神聖な意味合いとともに、多くの人々に親しまれ、大切に受け継がれている日本の魂が宿る行事なのです。

前祭と後祭:祇園祭の魅力の異なる側面

祇園祭の前祭と後祭の山鉾巡行は、それぞれ異なる雰囲気と楽しみ方を持っています。前祭は、本祭のスタートを告げる重要な日であり、特に地元の人々の熱狂的な参加が見られます。山鉾が練り歩く道すがら、地元の住民が手作りの灯籠を飾り、祭りの雰囲気を一層盛り上げます。

一週間後の後祭は、前祭とは対照的な落ち着いた雰囲気が特徴です。参拝者が増え、静かな祈りの場となります。山鉾の美しい装飾や伝統芸能は健在で、観光客も後祭の情緒的な雰囲気を満喫します。

祇園祭の起源:祈りと神々の御霊

祇園祭の起源は、貞観11年(869年)に京の都をはじめ日本各地に疫病が流行したとき、勅を奉じて当時の “国”(注)の数66ヶ国にちなんで66本の矛を立て、祇園社より神泉苑に神輿を送って、災厄の除去を祈ったことにはじまります。その結果、疫病が収束し、災厄が救われたことから、祇園御霊会(ぎおんごりょうえ)は毎年行われる祭りとして定着しました。かつては64基あったとされる祇園祭の山鉾の数は、現在は前祭23基、後祭11基、休山1基、合計35基になっています。

このように「祇園御霊会」として始まった祇園祭は、現在も疫病退散を願うお祭りとして大切に守り続けられています。この祭りは、日本の魂を象徴する特別な存在として、古都京都の伝統を未来に受け継いでいます。

(注)日本で昔、律令制に基づいて設置され、明治初期まで用いられていた地方行政区分としての国。

この記事で使用している画像は、コロナ禍以前のものです。

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