9月4日は「櫛(くし)の日」です!この日にちなんで、日本の櫛(くし)について触れてみませんか?「櫛なんてどうでもいい」と思っているあなた、その考えは一新されること間違いなしです。
日本の櫛の歴史:縄文時代からの伝統
縄文時代前期(5~6千年前)、福井県の鳥浜貝塚から木製の櫛が発掘されました。この櫛はヤブツバキ製で、赤い漆が塗られていた一枚板から削り出されたもの。その形は現代のまとめ髪用の髪飾り櫛に似ています。これだけ古い歴史を持つ櫛が、現在も我々の生活に密接していると考えると感慨深いものがあります。
櫛と言葉の関連:「奇し」や「串」と語源が同じ?
櫛という言葉は、“奇し”や“串”と語源が同じだともされています。この言葉からも櫛の多様な使い道や、それが人々の生活にどれほど深く関わっているかが分かります。
櫛と神秘:神とのつながり
古代日本では、先の尖った細い棒には呪力が宿ると信じられていました。玉串や斎串などがその例です。櫛もまた、魔除けや霊力を授かる道具とされていました。その力で命が生まれ、身につければその人を守るとされています。こういった神秘的な側面も、櫛が人々に愛され続ける理由の一つです。
江戸時代から現代:櫛の進化と多様性
江戸時代に入ると、櫛は装飾性が重視され、女性の髪飾りとして使われました。当初は汚れを取るため、また髷(まげ)を安定させるためのものから、日常的に美しいものを身につけたいという欲求が芽生え、多種多様な櫛が生まれました。
素材の多様性:櫛作りの無限の可能性
櫛の素材はとても多岐にわたります。鼈甲(べっこう)、牛角(ぎゅうかく)、馬爪(ばず)、黄楊(つげ)、竹、檀、伊須(いす)、唐木、ガラス、珊瑚、瑪瑙(めのう)、象牙、翡翠(ひすい)、金工品、セルロイドと、選び放題!各素材には独自の特性と魅力があります。
まとめ:櫛の魅力を再発見しよう
いかがでしたか?櫛はただの「髪を整える道具」ではありません。歴史、文化、神秘、進化、多様性…これらすべてを内包する美しい工芸品です。9月4日は「櫛の日」。この機会に、工芸品としての櫛を一つぐらい買って愛用してみてはいかがでしょうか。
「自分も工芸品としての櫛を一つぐらい買って愛用してみよう」と思い始めたあなた、その一歩が新しい発見となるでしょう。それでは、素敵な「櫛の日」をお過ごしください!