提言書『人口ビジョン2100』の行間を読む その1:はじめに

移民 出入国管理
提言書『人口ビジョン2100』

『人口ビジョン2100』(2024年1月 人口戦略会議)とは

マスコミ等のニュースによると、民間の有識者らの有志の集まりである「人口戦略会議」(議長:三村明夫 前日本商工会議所会頭)は、議論した中間報告を提言書『人口ビジョン2100』として公表し、2024年1月9日に内閣総理大臣に手渡しました。
この提言書は、今の日本の急激に進行中の人口減少という事態にいかにして立ち向かい、2100年に向けて持続可能な社会をどのように作っていくべきかを主題とするもので、結論として、<安定的で、成長力のある「(総人口)8000万人国家」>という目標を掲げ、その実現のために何をなすべきかを提言しています。

私はなぜ、日本の外国人受け入れ政策についてこのブログで発信を続けているのか

私は、外国人受け入れ政策のあり方は日本社会のあり方と深く関わっているにもかかわらず、「主要な政治課題の一つや国政選挙の争点の一つとなって有権者の選択・審判を受けること」がなきに等しい状況が長く続いていることは、日本にとって不幸なことだと痛感しています。
外国人受け入れ政策のあり方、とりわけ人口減少対策のための複合的手段の一つとして、移民の真正面からの受け入れの賛否について、速やかに国民的議論が巻き起こって議論が尽くされることを切に願ってやみません。

参照:2023年2月24日付け投稿『日本は移民国家? これさえ押さえれば完璧 その8「なし崩し的な移民受け入れ拡大に終止符を打ち、移民政策を政治的課題として有権者が選択できるようにするためには」』

そのためには、有権者お一人お一人が、
日本の外国人受け入れ政策・移民政策とその法制度の仕組み等について、正しい情報・理解に基づいて事実誤認等のない現状認識ができていること
その上で、日本社会の在り方と深くかかわっている外国人受け入れ政策の在り方に関する御自身のお考えを固めることができていること
が重要になります。

私は、このブログの固定ページの「この個人ブログについて」でお伝えしていますが、元国家公務員(法務省の外局の出入国在留管理庁のOB)です。
たとえ世間で名が通っていても出入国在留管理庁以外の中央省庁のOBである評論家や識者よりも、ましてやマスコミ等の報道等の内容よりも、日本の出入国管理政策、外国人受け入れ政策の所管官庁の元行政官(その意味での専門家)である私のほうが、より確かな解説等を提供することができる、と自負しています。

今後の予告

そこで、このブログではこれから数回に分けて(全部で何回になるか、現時点では不明です)、
民間の提言書『人口ビジョン2100』(2024年1月 人口戦略会議)は、日本の今後の外国人受け入れ政策・移民政策に関連して具体的に何をどう提言しているのか(何ら明言していないことも含め)?、その行間から何が読みとれるのか?
仮に今後、日本政府がこの提言書の内容を基本的に踏襲して政府の政策方針に取り込んだ場合において、日本の今後の外国人受け入れ政策・移民政策は、何ができて、何ができなくなるのか?
等々を解説していきます。

次回の「その2」では、提言書が明言している<「(補充)移民政策」はとらない>について、解説する予定です。

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