はじめに:冬の終わりを意識しながら、春に備える
冬の寒さが最も厳しくなるこの時期。しかし、暦の上ではすでに春が近づいています。冬の後半をどのように過ごすかが、春を健やかに迎えるための鍵になります。
東洋医学では、冬は「腎」を養う季節とされ、寒さに耐えながらエネルギーを蓄える時期と考えられています。このエネルギーがしっかり蓄えられていれば、春の訪れとともにスムーズに活動的な季節へ移行できます。
本記事では、冬の後半を乗り越え、春を迎えるための薬膳的な食養生を、身近な食材とともにご紹介します。
冬の後半に意識したい薬膳の考え方:「腎」をしっかり養い、エネルギーを蓄える
冬は「腎」を養う時期とされています。「腎」は生命エネルギーの源であり、特に冬の終わりには、しっかりと滋養を与えることが大切です。
冬の後半に起こりやすい不調
〇冷えによる血行不良 → だるさ、むくみ、冷え性
〇腎のエネルギー不足 → 疲れやすい、腰痛、関節のこわばり
〇免疫力の低下 → 風邪、インフルエンザのリスク
この時期は、体を温めながら腎を補い、春に向けたエネルギーを蓄えることが重要です。
冬の後半におすすめの食養生と食材
(1)「腎」を養い、春に向けたエネルギーを蓄える
「腎」を補う食材のポイントは、「黒いもの」と「塩味のもの」。これらは腎を強化し、エネルギーを蓄えるのに役立ちます。
ア おすすめの食材
〇黒豆・黒胡麻・ひじき・黒木耳(くろきくらげ)
腎を養い、老化予防
〇山芋・長芋
滋養強壮&胃腸を守る
〇ナッツ類(くるみ・松の実その他)
腎を補い、血行を促進
イ おすすめの食べ方
〇黒豆とひじきの煮物
腎を養い、体を内側から強くする
〇山芋のすりおろし味噌汁
胃腸を整え、消化吸収を助ける
〇黒胡麻&くるみ入りおにぎり
エネルギー補給&温め効果
(2)まだまだ続く寒さに負けない!体を温める食材
冬の後半は寒さがピーク。しっかり体を温めることが、免疫力アップにもつながります。
ア おすすめの食材
〇生姜・葱・にんにく・シナモン
体を温め、血行を良くする
〇羊肉・鶏肉・鮭
温性のたんぱく質でエネルギー補給
〇根菜類(人参・牛蒡・蓮根その他)
胃腸を守り、冷え対策
イ おすすめの食べ方
〇生姜入り鶏団子スープ
芯から温まり、消化にも優しい
〇蓮根と牛蒡のきんぴら
食物繊維たっぷりで腸を活性化
〇シナモン入り甘酒
腎を養い、温める冬の栄養ドリンク
(3)乾燥&免疫力低下を防ぎ、風邪・インフルエンザ予防を
冬の乾燥は、肌や粘膜にダメージを与え、免疫力を低下させます。潤いを補い、風邪を予防することが重要です。
ア おすすめの食材
〇蓮根・蜂蜜・白木耳(しろきくらげ)
粘膜を守り、のどの潤いを保つ
〇大根・ゆり根・梨
のどの炎症を抑える
〇味噌・納豆・キムチ
発酵食品で腸を整え、免疫力UP
イ おすすめの食べ方
〇蓮根と豚肉の炒めもの
潤い&免疫力UP
〇大根とゆり根のスープ
のどを守り、風邪予防
〇納豆とキムチの混ぜご飯
腸を元気にし、免疫力アップ
冬の後半を無理なく過ごし、春を迎える準備をしよう!
冬の後半の食養生まとめ
✅ 腎を補う黒い食材(黒豆・ひじき・黒胡麻)
✅ 体を温める食材(生姜・根菜・羊肉)
✅ 免疫力を高める発酵食品と粘膜を守る食材(蓮根・蜂蜜・納豆)
冬の終盤は、寒さや乾燥に負けず、しっかりと養生することが大切です。この時期を無理なく過ごせば、春を元気に迎えることができます。
薬膳の知恵を取り入れ、冬の後半を健やかに乗り切りましょう!❄✨