真夏を彩る花、カンナの魅力
カンナは、真夏の強い日差しの下でも元気に咲き続ける花として人気があります。赤、白、ピンク、黄色、オレンジなど多彩な花色があり、庭や公園を一気に華やかにしてくれます。熱帯原産の植物ですが、日本の気候によく適応し、初心者でも比較的育てやすいのが魅力です。
夏の庭はどうしても緑一色になりがちですが、カンナを植えることで鮮やかな色がアクセントとなり、季節感のある華やかな空間を演出できます。
カンナの基本情報
学名:Canna indica ほか
属名:カンナ科カンナ属
原産地:熱帯アメリカ
草丈:50cm〜2mほど(品種による)
花期:6月〜10月
特徴:大ぶりで艶やかな葉、炎のような花姿
花壇の後方やシンボル的な場所に植えると存在感が際立ちます。また、大きな葉がつくる南国的な雰囲気は、和風・洋風どちらの庭にもマッチします。
カンナの育て方
(1)植え付け時期
カンナは球根植物です。球根の植え付けは4月〜5月が適期。霜の心配がなくなった頃に植えると安心です。
(2)日当たりと土壌
〇日当たり
カンナはとにかく日光が大好き。日照が不足すると花付きが悪くなります。
〇土壌
水はけと保水性のバランスが良い肥沃な土が適しています。植え付け前に腐葉土や堆肥を混ぜ込むとよいでしょう。
(3)水やりと肥料
〇水やり
乾燥にやや強いですが、真夏はしっかり水を与えることで元気に育ちます。特に鉢植えは乾燥しやすいため注意が必要です。
〇肥料
生育期に緩効性肥料を与えるほか、追肥として液体肥料を定期的に与えると花付きが良くなります。
(4)冬の越し方
カンナは熱帯原産のため、冬の寒さには弱い性質があります。ただし、日本の地域ごとに対策を変えることで、翌年も花を楽しむことが可能です。
〇暖地・中間地
株元をしっかりマルチングすることで、庭植えのまま冬越しが可能。私の園芸経験では、矮性の品種「トロピカルレッド」は、中間地で数年間、問題なく越冬しができています。
〇寒冷地
地植えのままでは凍結の危険が高いため、秋に球根を掘り上げ、湿らせた砂やピートモスと一緒に保存するとよいでしょう。
(5)植え替え
数年に一度は株分けや植え替えを行うと、球根の更新が進み花付きが安定します。
カンナを庭に取り入れる工夫
カンナは単独で植えても見応えがありますが、草丈の低い花と組み合わせると立体感が生まれます。マリーゴールドやサルビアといった夏の一年草と合わせると、より鮮やかな景観になります。
また、大きな葉は背景としても映えるため、観葉植物的に楽しむことも可能です。
まとめ
カンナは、真夏の炎天下でも負けずに咲き誇る、頼もしく華やかな植物です。鮮やかな花色、大ぶりな葉、そして強健さは、夏の庭を彩る主役にふさわしい存在です。
冬越しの工夫をすれば多年草として長く楽しむこともできます。特に暖地や中間地では株元をマルチングするだけで冬越しが可能なので、手間も少なく管理しやすいでしょう。
あなたも来年の夏には、カンナを庭に迎えて、鮮やかな色彩と生命力を楽しんでみてはいかがでしょうか。
