「外から圧力」は本物か――参政党と高市路線をめぐる違和感

近年、参政党は「自民党に外から圧力をかける」という立場を強調してきました。
とくに、「自民党左派の選挙区に候補者をぶつけることで、党内構造を変える」という戦略は、一見すると理屈が通っているようにも見えます。

しかし、最近の参政党の動きを丁寧に見ていくと、その主張と実際の行動との間には、無視できないズレがあるように思えます。

まず、参政党の神谷宗幣代表は、1月22日の産経新聞インタビューで、全国の小選挙区に170人を超える候補者を擁立する見通しを明らかにしました。
選挙についても、「党が違うのだから戦って当たり前だ」「自民党にも通していい人と、通したらまずい人がいる」と発言しています。

これはもはや、「特定の自民党左派に狙いを定める戦略」というより、全国で自民党と全面的に戦う姿勢と受け取られても不思議ではありません。

また、神谷代表はこれまで、「高市首相がやりたい政策を進めるためには、参政党が比例で議席を取り、自民党に外から圧力をかけることが重要だ」と繰り返し主張してきました。

ところが、昨年秋に行われた、石破前総理の後任を決める首班指名選挙の参議院決選投票では、参政党は高市氏に投票しませんでした。
「高市路線を支える」と言いながら、最も重要な場面でその行動を取らなかったことになります。

この点は、若い有権者ほど素直に疑問を抱くのではないでしょうか。
言葉としては分かりやすくても、行動が伴っていなければ、政治的な信頼は積み上がりません。

もちろん、自民党内部に存在する反高市的な勢力を抑えることは重要です。
しかし、それ以上に大切な前提があります。
それは、「高市総裁が率いる自民党が、選挙に勝ち、政権として安定すること」です。

どれだけ正しい政策を掲げていても、政権基盤が弱ければ、実行することはできません。
外からの圧力が意味を持つのは、あくまで土台が安定している場合に限られます。

一方で、行き過ぎたグローバリズムの是正を訴える点において、参政党や日本保守党が一定の支持を集め、存在感を高めること自体を否定する必要はありません。
多様な声が政治に反映されることは、民主主義にとって健全です。

ただし、その結果として、高市政権の足元が崩れ、政策実行力が弱まってしまえば、それは本来の目的から外れてしまいます。

もし今後、自民党が選挙で大勝したにもかかわらず、参議院で過半数を占める野党との協調を優先し、高市路線を骨抜きにし、さらには「高市総裁降ろし」にまで踏み込むような事態が起きたとしたら、そのときこそ参政党の真価が問われるでしょう。

その局面では、国会の首班指名で明確に高市氏に投票する――
そうした「分かりやすい行動」を示してこそ、「外から圧力をかける政党」という言葉に初めて説得力が生まれるのだと思います。

政治は、言葉ではなく、最終的には行動で評価されるものだからです。

とくに若い世代にとって、この問題は決して「遠い政治の話」ではありません。
これから先の日本社会で、どのような経済政策が取られ、どのような安全保障の判断がなされ、どのような価値観が「当たり前」とされていくのか。その影響を最も長く受けるのは、今の30歳未満の世代です。
だからこそ、「誰が何を言っているか」だけでなく、「いざという場面で、誰がどんな行動を取ってきたのか」を見極める視点が重要になります。政治家や政党を評価する際には、分かりやすいスローガンだけでなく、実際の行動との一貫性を冷静に見つめること。
それが、将来の選択肢を自分たちの手で狭めないための、最初の一歩なのだと思います。


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