前回の2026年1月29日付け記事『政権選択選挙で私たちが本当に考えるべきこと』では、政権選択選挙において、減点主義ではなく加点主義で考えることの重要性について述べました。
今回はその補足として、なぜとりわけ40歳未満の若い世代こそ、加点主義で政治を考える必要があるのかについて整理してみたいと思います。
若い世代は「政治の結果」を一番長く引き受ける
まず、極めて単純ですが重要な事実があります。
それは、若い世代ほど、これからの政治の結果を長く引き受ける立場にあるということです。
税制、社会保障、財政、エネルギー政策、外交安全保障――。
これらはどれも、短期間で完結するものではありません。
今日の選挙で選ばれた政権の判断は、10年後、20年後、場合によってはそれ以上の期間、社会の構造に影響を与えます。
にもかかわらず、
「とりあえず不満を示したい」
「今の政権が気に入らないから反対側に入れる」
という投票行動をとってしまうと、その “気持ちよさ” は一瞬で終わりますが、結果だけは長く残ることになります。
若い世代ほど、「今の気分」よりも「将来の帰結」を重視すべき理由は、ここにあります。
減点主義は気持ちいいが、未来はつくれない
減点主義の政治議論は、とても分かりやすく、気持ちが楽です。
・失敗を指摘するだけでいい
・責任を取る必要がない
・自分は「正しい側」に立てた気がする
SNSと相性がいいのも、このためです。
しかし、減点主義には決定的な弱点があります。
それは、次に何をするかが決まらないということです。
誰かを否定し続けても、
・財源をどうするのか
・制度をどう設計するのか
・現実に誰が実行するのか
という問いには、答えが出ません。
若い世代にとって重要なのは、
「誰が悪いか」
よりも、
「その選択の結果、どんな社会が続いていくのか」
ではないでしょうか。
若い世代は「完璧な選択肢」を待てない
政治に関心を持ち始めた頃、多くの人はこう感じます。
「どの政党もしっくりこない」
「誰も信用できない」
その感覚自体は、自然です。
ですが、現実の政治において、完璧な選択肢が現れることはほとんどありません。
それでも選挙はやってきますし、
選ばなかったこと
もまた、一つの選択として結果を持ちます。
だからこそ必要なのが、
・欠点は多いが、実現できそうな点
・不満はあるが、他よりは前進しそうな点
を評価する、加点主義の視点です。
これは妥協ではなく、現実と向き合う力です。
若い世代ほど、「理想が100%叶う日」を待っている余裕はありません。
加点主義は「権力を白紙委任すること」ではない
ここで、よくある誤解にも触れておきます。
加点主義で考えると言うと、
「どうせ自民党に任せろ、という話でしょ」
と受け取られることがあります。
しかし、そうではありません。
加点主義とは、
・公約の中身を見る
・実現可能性を見る
・選挙後の力関係を見る
そのうえで、
今この局面で、どこに政権を託すのが最も合理的か
を判断する態度です。
それは同時に、
「評価は続ける」
「ダメなら次で下ろす」
という、民主主義本来の緊張関係を前提としています。
盲目的な支持とは、まったく別物です。
若い世代こそ「政治を利用する側」になろう
政治は、誰かを信じるためのものではありません。
自分たちの生活と将来のために、利用するものです。
そのためには、
・感情的な否定で終わらせない
・「一番マシな選択」を冷静に選ぶ
・結果を見て、次の選挙で再評価する
この繰り返しが必要です。
若い世代は、これから何度も選挙を経験します。
だからこそ、
「減点して終わり」
ではなく、
「加点しながら、よりマシな現実を積み重ねる」
という視点を持つことが、将来の自分たちを守ることにつながるのだと思います。
おわりに
政治に関心を持つことは、疲れます。
ですが、加点主義で考えることは、
「何も信じない」
よりも、
「現実を少しでも良くする可能性に賭ける」
という、前向きな態度でもあります。
若い世代こそ、その権利と影響力を、
感情ではなく判断として使ってほしい――。
この補足コラムが、その一助になれば幸いです。
