“3役” を同じ車両でこなす路線
例えば東京都内なら、
地下鉄の東京メトロと私鉄が相互乗り入れをしていて、乗車している最中に地下鉄が
地上に出る(または、その逆も)という路線がありますが、
日本には唯一、
地下鉄と登山電車(山岳鉄道)と路面電車の3役を同じ車両でこなす路線
があります。
それが、近畿地方の京都と滋賀を結ぶ京阪電車の京津線です。
しかも、日本で一番車両の長い路面電車でもあります。
路線の途中には日本有数の急カーブや急勾配もあって、
乗り鉄(=鉄道に乗ることを目的とする鉄道ファン)にとっては
知名度が高い、魅力のある路線だそうです。
日本国内のどこを走っている路線?
京阪京津線は、
京都府京都市山科区内の御陵(みささぎ)駅から滋賀県大津市内のびわ湖浜大津駅まで
の7駅間・7.5kmを約15分で走る路線です。
御陵駅で京都市営地下鉄東西線と相互乗り入れをしていて、
東の端の京阪京津線のびわ湖浜大津駅から
西の端の京都市営地下鉄東西線の太秦天神川駅まで
乗り換えなしで行けます(所要時間は約35分)。
京阪京津線のユニークな特徴とは
1.西の端の御陵駅を出発するときは「地下鉄」、次の京阪山科駅に着くまでの途中で
地上に出て、その次の四宮駅から府県境の峠を越えて滋賀県大津市内の上栄町駅まで
の間を走行するときは「登山電車(専用軌道)」、そして上栄町駅を出発してすぐに
「路面電車(併用軌道)」となって、次の終点の東の端のびわ湖浜大津駅に到着します。
2.地下鉄と登山電車(専用軌道)と路面電車(併用軌道)の3種類を同一車両で走行
する電車という点でも日本唯一です。
3.1両16.5mの4両編成、その全長は66mで、
路面電車としては日本で一番 車両の長い路面電車です。
4.「登山電車(専用軌道)」である区間の、特に滋賀県大津市内の大谷駅と上栄町駅
との間の区間では、最大の傾斜は61パーミルの急勾配ですし、また、大谷駅自体
が傾いていて(駅ホームの傾斜は40パーミル)、駅のベンチは傾いた床の中でも
まっすぐに座れるよう、ベンチの脚の長さが左右で違っています。
(注)1パーミル=水平距離1000mに対し1mの垂直距離を持つ勾配
あなたが京都か滋賀の大津に遊びに来られたときに時間の余裕があれば、
ぜひ一度、京阪京津線に乗ってみられてはいかがですか!

