啓蟄とは?春の訪れを感じる瞬間
3月上旬、暦の上で「啓蟄(けいちつ)」という節気があります。これは冬の間、地中でじっとしていた虫たちが、春の訪れを感じて目覚め、動き出す時期を指します。2025年の啓蟄は3月5日から3月19日まで。この期間は寒さが和らぎ、植物も芽吹き始めるため、庭仕事やガーデニングを始める絶好のタイミングです。まだ朝晩は冷えることもありますが、日中の気温が上がることで土もやわらかくなり、作業がしやすくなります。
では、啓蟄の時期に始めるべき庭仕事やガーデニングのポイントを詳しく見ていきましょう。
まずは土づくり!春の成長を支える基盤
冬の間、庭の土は締まりやすく、栄養が流出している可能性があります。春の成長を促すためにも、まずは土づくりから始めましょう。
(1)土を耕す
寒さで固くなった土をスコップやクワでよく耕し、空気を含ませることで根の張りを良くします。特に、粘土質の土は水はけが悪くなりやすいため、腐葉土や堆肥を混ぜることでふかふかの土に改善できます。
(2)有機肥料で栄養補給
冬の間に失われた栄養を補うため、有機肥料(堆肥、油かす、骨粉など)を土に混ぜます。これにより、植物が健康的に成長する土壌が整います。
春植え野菜や花の準備をしよう
啓蟄の頃は、春に向けた野菜や花の植え付けを始めるのに最適な時期です。具体的にどのような植物を育てるのがよいのでしょうか?
(1)春植え野菜
この時期に種まきできる代表的な野菜は、
〇レタス
寒さに強く、発芽しやすい。
コンパニオンプランツ:レタスの害虫であるアブラムシを防ぐために、チャイブやニンニクを近くに植えるのがおすすめです。また、レタスとトマトを一緒に植えることで、日陰を作り乾燥を防ぐ効果も期待できます。
〇ほうれん草
品種によって種まきの適期が異なるため、春蒔きの品種を選ぶことが重要。
コンパニオンプランツ:ほうれん草はニンジンと相性が良く、土壌の通気性を向上させる効果があります。また、ネギ類(ネギ、ニンニクなど)と一緒に植えると、害虫の抑制にもつながります。
〇ニンジン
発芽に時間がかかるため、早めの準備が大切。また、プランターや鉢で栽培するのに適した矮性タイプの品種もあるので、家庭菜園のスペースに合わせて選ぶとよい。
コンパニオンプランツ:ニンジンはダイコンと組み合わせると、お互いの害虫を防ぐ効果があります。また、マリーゴールドを近くに植えることで、センチュウ被害を減らすことができます。
(2)春の花
春らしい庭を演出するなら、
〇パンジー・ビオラ(寒さに強く、長く咲く)
〇チューリップ(冬に植えておいた球根が芽を出す時期)
〇ネモフィラ(爽やかなブルーの花が魅力)
などがオススメです。


害虫対策も忘れずに!
気温が上がると、冬眠から目覚めた害虫も活動を始めます。特に、アブラムシやナメクジなどの害虫は早めに対策することで被害を抑えられます。
(1)天然の防虫対策
ア コンパニオンプランツ
適切な組み合わせで野菜を植えることで、害虫を遠ざける効果が期待できます。例えば、レタスにはチャイブやニンニク、ほうれん草にはネギ類やニンジン、ニンジンにはマリーゴールドやダイコンが相性の良い組み合わせです。
イ 木酢液やニームオイル
自然由来の防虫剤を活用することで、環境に優しい対策が可能です。
(2)鳥を味方につける
庭に野鳥を呼び寄せることで、害虫を食べてもらうのも効果的です。バードフィーダー(エサ台)を設置し、スズメやシジュウカラを招きましょう。
春の庭を楽しむために
啓蟄の時期に庭仕事を始めることで、春から夏にかけて美しい庭や実り豊かな菜園を楽しむことができます。暖かくなるにつれ、植物がぐんぐん成長し、庭が賑やかになっていく様子を観察するのもガーデニングの醍醐味です。
この春は、冬の眠りから目覚めた庭とともに、新しいガーデニングの一歩を踏み出してみませんか?