神秘学(神秘哲学)とは
皆さんは、神秘学(神秘哲学)というものをご存じですか?
フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』によれば、
「オカルティズム(occultism)の日本語訳の一つ」「オカルト主義」
と説明されています。
残念ながらこれが世間一般の理解のようですが、
「神秘学(神秘哲学)」は、英語で言えば「ミスティシズム」(mysticism)です。
言語学者・哲学者・東洋思想研究者・神秘主義哲学者として知られる
井筒 俊彦 氏(故人)の著作『神秘哲学』によれば、
ソクラテス、プラトン、アリストテレスといった古代ギリシャの哲学者たちが
研究し、当時の人たちに教えていたのが、まさに神秘学だった
ということです。
神秘体験とは
『ウィキペディア』では、
「神秘体験」とは、「超常現象など科学的には起こり得ない現象を体験すること」
と説明されています。
バラ十字会日本本部AMORCのウェブサイトによれば、
「神秘体験」について次のように説明されています。
古代からよく知られていたことなのですが、
音楽に深く入り込んだり、特定の方法で集中や呼吸を行ったり、
収穫祭などの儀式に参加し感謝の思いが特に高まったときに、
人は日常とは異なる、忘我の意識状態を体験することがあります。
この体験は神秘体験と呼ばれています。
宗教ではない神秘学と宗教との違い
宗教ではない神秘学では、
個々人が神秘体験を経験して
神秘学でいう「普遍的宇宙精神」から直接に知識(叡智)を得ること
を奨励します。
一方、宗教では、
その宗教の教祖の神秘体験のみが認められ、
信者には教祖の神秘体験を肯定して信じること
が要求されます。
よって、信者は僧侶、神父のような聖職者を介してのみ
人生の本質や真理を知ることができる
ということになります。
宗教ではない神秘学と宗教神秘学や宗教との違い
神秘学でいう「普遍的宇宙精神」、スピリチュアル系でいう「宇宙意識」「超意識」、
古くからの呼び名であれば「創造主」「神」
を、
宇宙の法則、宇宙の摂理、宇宙の性質であると考えるか、
それとも、
人格を持つ存在であると考えるか、
の違いです。
神秘学では「宇宙は愛で満ちている」「愛は宇宙の性質である」と考えている
のに対して、
多くの宗教では人格をもった神が人間をはじめ生きとし生けるものを愛している
と考えています。