「国際幸福デー」とは
「国際幸福デー」は、国民総幸福(Gross National Happiness(GNH))(注1)を国民総所得より価値あるものとして認め、国民総生産ではなく、国民総幸福量を目標にしたブータンによって提唱され、2012年に国連総会が制定したもので、この日は、人間の幸福とウェルビーイングの追求が持続可能な発展の重要な要素であることを認識し、世界中の人々が幸福を追求し、その実現に向けた取り組みを促すことを目的としています。
この日は、世界中の多くの国や地域で様々なイベントが開催されますが、国連が提唱する「持続可能な開発目標」のうち、特に「目標3:健康的な生活と福祉の促進」と「目標8:人間らしい働き方の促進」と関連するイベントが多く開催されます。
ちなみに、日本では、東京都荒川区(GAH:Gross Arakawa Happiness)、静岡県の浜松市(GHH:Gross Hamamatsu Happiness)などが取り組んでいるようです。
(注1)「国民全体の幸福度」を示す “尺度”。精神面での豊かさを「値」として、ある国の国民の社会・文化生活を国際社会の中で評価・比較・考察することを目的としている。
国民総幸福量の考え方~日本の外務省のホームページより~
ブータンの1人当たりの国民総所得は1、920米ドル(世界銀行、2010年)であるにもかかわらず、国勢調査(2005年)ではブータン国民の約97%が「幸せ」と回答しています。「国民総幸福量(GNH)は国民総生産(GNP)よりも重要である」と、1970年代にGNHの概念を提唱したのは、先代のジグミ・シンゲ国王でした。GNHは、経済成長を重視する姿勢を見直し、伝統的な社会・文化や民意、環境にも配慮した「国民の幸福」の実現を目指す考え方です。その背景には仏教の価値観があり、環境保護、文化の推進など4本柱のもと、9つの分野にわたり「家族は互いに助け合っているか」「睡眠時間」「植林したか」「医療機関までの距離」など72の指標が策定されています。国家がGNH追求のために努力することは憲法にも明記され、政策を立案、調整するGNH委員会が重要な役割を担っています。
神秘哲学でいう “富” とは?
私が学んでいる神秘哲学(注2)によると、本当の富とは次の五つである、とされています。
①健康の富、②人格の富、③精神力(潜在能力)の富、④生きる喜びの富、⑤自分の周囲の諸条件に自分を順応させ、そして徐々にそれらを改善していくことからくる満足の富。
④と⑤は、考えれば考えるほど “深い” ですね!
一方、お金は “手段” であって決して “最終目標” ではありませんので、お金自体を求めたりしないように注意しなければなりません。
なお、お金に関する私の考え方は、2023年1月12日付け投稿記事『あなたのお金に対する考え方は間違っていませんか?』で述べたとおりです。
(注2)神秘哲学については、2023年1月4日付け投稿記事『“風の時代” を生きていく人には必見:神秘学と宗教の違いとは?』を参照願います。