「さくらの日」とは
3月27日「さくらの日」は「日本さくらの会」によって1992年に制定された記念日です。日本では昔から身近にある花として親しまれてきた桜を通して、日本の歴史や文化に対する興味を高めようという日だそうです。
(注1)桜を保護する活動や素晴らしさを普及させる活動などを行っている公益財団法人。
美しい花の咲く品種が多い日本の桜
日本の桜は現在、600以上の品種があると言われています。桜は突然変異しやすいという特徴があって、日本では自生する基本野生種(注2)から花期が重なることで野生で自然交配が起こって生まれた自然交雑種だけで100品種以上あるほか、古くから園芸品種(注3)の育成が盛んに行われてきているそうです。
「日本さくらの会」によれば、「サクラは主として北半球の温帯に広く分布していますが、美しい花の咲く種類はアジアに多く、しかも日本列島が中心で、多くの種類が集中しています。」ということです。
(注2)「ヤマザクラ(山桜)」、「オオヤマザクラ(大山桜)」、「カスミザクラ(霞桜)」、「オオシマザクラ(大島桜)」、「エドヒガン(江戸彼岸)」、「チョウジザクラ(丁字桜)」、「マメザクラ(豆桜)」、「タカネザクラ(高嶺桜)」、「ミヤマザクラ(深山桜)」の9品種と、国外さんの野生種である「カンヒザクラ(寒緋桜)」。
(注3)園芸品種の代表例:日本の桜の代表格「ソメイヨシノ(染井吉野)」、晩冬から早春に咲く「カワヅザクラ(河津桜)」。
桜の品種のなかには、秋や冬に咲く品種がある
一般に桜は春になると咲きますが、品種によっては「十月桜」(注4)や「冬桜」(注5)のように秋や冬に咲く品種もあります。
(注4)江戸時代につくられたと言われている園芸品種なので、野山には自生していない。
(注5)寒い時期に咲く桜には、野生種の「カンヒザクラ(寒緋桜)」をはじめいくつかの品種があって、その一品種が「冬桜」(自然交雑種とされている)で、主な開花期は11~12月と4月の年2回。
日本で最も有名な桜の品種「ソメイヨシノ(染井吉野)」
「ソメイヨシノ(染井吉野)」は日本の桜の約8割を占めると言われていて、日本で最も有名な桜の品種です。日本固有の桜とされています。
江戸末期~明治初期頃から園芸品種として栽培されており、当時の江戸の染井村の植木職人や造園師が、オオシマザクラとエドヒガン系のサクラを交配させてつくったとされています。
明治になって、昔からあったサクラは封建時代のシンボルとして伐採されていったのとは逆に、サクラの名所として名高い大和の吉野山(奈良県山岳部)の名を取った「染井吉野」という名称で「東京にいながら吉野山の桜が見られる」という宣伝文句と、葉より花が先に咲き乱れるという特性が評判を呼んで、関東地方を中心にアッという間に人気が広がったといわれています。
日本で栽培されている「ソメイヨシノ」はほとんどすべてがクローン(挿し木や接ぎ木などでの繁殖)で増やされたため、一斉に開花するという特徴があり、桜の開花日を予想する「桜前線」もソメイヨシノの開花を基準にしています。
桜の花は食用にもなる
桜の花は食用にもなります。桜の花弁を使った和菓子や、桜の花を漬けた「桜酒」、「桜花の塩漬け」などがあります。
「桜花の塩漬け」にする桜の種類は、色が濃く香りの強い“八重桜”(注6)を使うことが多いそうです。
私は去年、「桜花の塩漬け」を人生初体験で食べたのですが、「桜酒」はまだなので、できれば今年飲んでみたいものです。
(注6)桜の品種名ではなくて、桜の品種のうち花が八重咲きの桜の総称。関東では新宿御苑、関西では「桜の通り抜け」として知られる大阪造幣局(大阪市北区)が、代表的な名所。

