「水無月（みなづき）」は、その特徴的な三角形と、外郎生地と小豆が奏でるハーモニーにより、他とは一線を画す和菓子となっています。
特に京都では、夏至の日にこの特別な和菓子、「水無月」を食べるという風習が長く続いています。京都市周辺の私の住んでいる街でも、この時期になるとその姿を店頭で見かけます。
夏至は一年の半分を象徴する大切な日。この日に「水無月」を食べることで、次の半年間の健康を祈ると共に、小豆が邪気を払い、特徴的な三角形が夏の厳しさから一時の涼をもたらします。これらの要素が組み合わさり、夏バテ防止への期待と希望を象徴しています。
「水無月」は、単なる和菓子ではなく、日本の風習と信仰を具現化した象徴的存在とも言えるでしょう。その甘さを楽しみながら夏至の日を迎え、半年の節目を祝い、前向きに残りの後半年へと進んでいく。それこそが、「水無月」が伝えるメッセージなのかもしれません。
