はじめに――自分でつくる楽しみを、毎日の暮らしに
食品を自分でつくることには、市販品を購入するだけでは味わえない楽しみがあります。
材料を選び、自分好みの味に仕上げ、できあがるまでの過程を楽しむ。しかも、食品によっては、材料費を抑えられる場合もあります。
私自身も、これまでさまざまな自家製食品をつくってきました。以前は玄米を使った発酵飲料を飲んでいた時期もありましたが、現在は、豆乳ヨーグルト、梅干し、梅酒などを自家製で楽しんでいます。
そこで今回は、私自身の経験を交えながら、おすすめの自家製食品3選をご紹介します。
なお、手づくり食品は、つくり方や保存方法によって安全性が左右されます。また、食品を手づくりしたからといって、特別な健康効果が得られるとは限りません。そうした点にも気を配りながら、手づくりならではの楽しみを考えてみたいと思います。
豆乳ヨーグルト――手づくりで楽しむ植物性の発酵食品
最初にご紹介するのは、豆乳を使ったヨーグルトです。
一般的なヨーグルトは牛乳を原料としますが、豆乳ヨーグルトは大豆由来の豆乳を利用します。牛乳とは異なる風味を楽しめるうえ、植物性の食品を食生活に取り入れたい方にとっても、選択肢の一つになります。
大豆には、たんぱく質などの栄養素が含まれています。豆乳ヨーグルトは、そうした大豆由来の栄養を取り入れながら、発酵食品を楽しめる点が魅力です。
私も、市販の無調整豆乳を使って、自家製の豆乳ヨーグルトをつくっています。
手づくりする魅力は、材料を自分で選べることです。市販の無調整豆乳を使えば、原材料が比較的シンプルなものを選びやすく、自分の好みに合った仕上がりを追求できます。
ただし、豆乳に種菌を加えれば、必ず安全で良質なヨーグルトができるというわけではありません。使用する菌の種類や製品の適性、発酵温度、発酵時間、器具の衛生状態などによって、できあがりは変わります。
家庭でつくる場合は、豆乳ヨーグルトに適したスターター(種菌)を使い、メーカーなどが示す手順に従って温度や時間を管理することが大切です。異常が疑われる場合は、味見をせずに廃棄しましょう。
また、豆乳ヨーグルトを食べれば、必ず腸内環境が改善する、あるいは特定の病気を予防できるというわけではありません。健康効果を過度に期待するのではなく、毎日の食生活の一つとして楽しむのがよいでしょう。
梅干し――昔ながらの保存食を自分好みにつくる
二つ目は、日本の食卓に古くから親しまれてきた梅干しです。
梅干しは、梅と塩を基本的な材料としてつくる伝統的な保存食です。自分でつくると、梅の品種や熟し具合、塩分などを考えながら、好みに合った味わいを追求できます。
梅の収穫時期に合わせて仕込み、梅が変化していく様子を見守るのも、手づくりならではの楽しみです。できあがった梅干しは、ご飯のお供にしたり、おにぎりに入れたり、料理の味付けに利用したりできます。
市販の梅干しにはさまざまな味や塩分の商品がありますが、自家製なら、自分の好みに合ったものをつくる楽しみがあります。
ただし、梅干しづくりにも、衛生管理や適切な塩分、保存方法への配慮が必要です。塩分を減らすと保存性も変わるため、自己流で材料の割合を変更するのではなく、信頼できるレシピに従いましょう。
梅干しは、昔ながらの食文化を身近に感じられる食品です。一方で、塩分を多く含むものもあるため、食べる量には気を配りたいところです。
梅酒――季節の梅を使って、手づくりの味を楽しむ
三つ目は、梅酒です。
梅の季節になると、青梅などを使って梅酒を仕込むことができます。材料を用意して仕込んだ後、時間の経過とともに梅の風味が酒に移っていくのを待つのも、手づくりならではの楽しみです。
梅の状態や使用する酒、糖類の種類や量によって、仕上がりの味わいも変わります。自分の好みに合わせて工夫できるのは、自家製ならではの魅力でしょう。
梅酒づくりでは、一般に、梅、糖類、ホワイトリカーなどの酒類を使います。仕込みに使う容器は清潔なものを用い、使用する材料や分量、保存方法については、信頼できるレシピに従うことが大切です。
また、家庭で酒類を製造することには、酒税法上のルールがあります。一般家庭で自家消費用の梅酒をつくる場合にも、使用できる酒類などの条件があります。市販の酒類を使うなど、国税庁が示す要件を確認しておきましょう。
そして、忘れてはならないのは、梅酒はアルコール飲料だということです。梅を使っているからといって、健康によい飲み物として扱うことはできません。飲酒には健康上のリスクがあり、飲まない人が健康のために飲み始める必要もありません。
梅酒づくりの魅力は、健康効果を期待することではなく、自分で仕込んだものの風味を楽しむことにあります。飲む場合も、体質や健康状態に配慮し、適量を心がけたいものです。
手づくり食品を楽しむために、気をつけたいこと
自家製食品にはさまざまな魅力がありますが、安全につくり、保存するための注意も必要です。
特に、発酵食品や保存食は、材料の割合や温度、時間、衛生状態などによって、できあがりや保存性が変わります。
家庭で食品をつくるときは、次の点を心がけましょう。
・器具や容器を清潔にする。 手を洗い、使用する容器や道具も適切に洗浄・管理します。
・信頼できるレシピを使う。 材料の割合、温度、時間、保存方法などが明示された製法に従いましょう。
・見た目やにおいだけで安全性を判断しない。 異常が見られないからといって、安全だと保証されるわけではありません。
・適切な保存方法を守る。 完成後に常温で保存できるとは限りません。食品に応じて冷蔵など適切な方法を選びます。
・異常が疑われる食品は口にしない。 カビ、異常な変色、異臭などがある場合は、味見をせずに廃棄しましょう。
また、手づくり食品は、市販品と比べて、材料や製造条件を自分で管理できる一方、製造や保存の管理を自分で行わなければなりません。
「自分でつくったから安心」と考えるのではなく、安全性を確かめながら楽しむことが大切です。
家庭菜園や園芸も、暮らしを楽しむ工夫の一つ
自家製食品の楽しみは、台所の中だけにとどまりません。
家庭菜園で野菜を育てたり、ハーブを栽培したりすれば、収穫したものを食事に利用する楽しみも生まれます。自分で育てた野菜を食卓に並べることは、食べ物が育つ過程を知り、旬の味わいを楽しむ機会にもなります。
もちろん、家庭菜園で育てた野菜だからといって、特別な健康効果が保証されるわけではありません。しかし、植物を育て、収穫し、料理に使うという一連の営みは、暮らしを豊かにする楽しみの一つです。
種をまき、芽が出るのを待ち、成長を見守る。花が咲き、実がなり、収穫できたときの喜びは、園芸ならではのものです。
自家製食品づくりと家庭菜園は、どちらも、日々の暮らしに自分なりの工夫を取り入れるという点で、よく似ているように思います。

おわりに――自分に合った手づくりを、無理なく楽しもう
今回は、豆乳ヨーグルト、梅干し、梅酒という三つの自家製食品をご紹介しました。
自分で食品をつくることには、材料を選ぶ楽しみや、できあがるまでの過程を味わう喜びがあります。家庭菜園や園芸と組み合わせれば、食べることだけでなく、育てることにも楽しみが広がります。
一方で、手づくり食品だからといって、健康効果が保証されるわけではありません。食品の種類に応じて、安全な製法や保存方法を確認することも欠かせません。
健康を考えるうえでは、特定の食品に過度な期待を寄せるのではなく、日々の食事全体のバランスを大切にしたいものです。
皆さんも、無理のない範囲で、自分に合った食品づくりや家庭菜園に挑戦してみてはいかがでしょうか。
毎日の暮らしを楽しみながら、長く続けられる習慣を見つけていきたいですね。
【備考】
本記事は、2023年1月18日付けで投稿した旧記事『誰でも簡単にできる自家製の健康食品 おすすめ3選』を改訂・再構成したものです。本記事の投稿に伴い、旧記事は削除しました。
