我が家では、毎年、鉢植えで忘れな草を育てています。
今年2026年も、春になると可愛らしい花を咲かせてくれましたが、花が終わって種をつけた後、夏を迎える前には枯れてしまいました。
忘れな草は、一般的には「秋蒔き・春咲き」の一年草です。
ですから、普通なら、
秋に発芽 → 冬越し → 春に開花 → 初夏に枯れる
というサイクルで、その年の役目を終えます。
ところが、今年はちょっと違いました。
枯れた後も、私はその鉢を片付けず、そのまま置いていました。場所は、直射日光がほとんど当たらない一方で、風通しの良いところです。
すると、しばらくして鉢の土から小さな芽が出てきました。
どうやら、春に咲いた忘れな草が残した種が、いわゆる「零れ種」となって発芽したようです。
そして、そのまま順調に育ち――。
なんと、真夏の8月になった今、花を咲かせています。
「忘れな草って、8月にも咲くのか!」
ちょっと驚きました。
もちろん、これは忘れな草が本来持っている一般的な生活サイクルとは異なる現象です。
「秋まで待たずに発芽した」という意味では、種子の発芽時期が前倒しになった、と考えることができそうです。
「休眠打破」という言葉も頭に浮かびますが、今回の場合は、むしろ種子が深い休眠に入る前に発芽条件が整い、夏のうちに発芽・生育した、と考えるほうが自然でしょう。
そして、今回の一番のポイントは、枯れた鉢を処分しなかったことだったのかもしれません。
もし片付けていたら、この「真夏の忘れな草」と出会うことはありませんでした。
植物は、こちらが「もう終わった」と思ったところから、ちゃっかり次の世代を始めていることがあります。
考えてみれば、春に咲いた忘れな草が残した種から、同じ年の夏にまた花が咲いたのです。
いわば、「一世代早い忘れな草」です。
これは、今年だけの偶然かもしれません。
それとも、この鉢の環境が気に入って、来年も同じようなことをするのでしょうか。
そんなことを考えながら、今はこの小さな忘れな草を眺めています。
園芸の面白さは、必ずしも「上手に育てること」だけではありません。
こちらの予定どおりにならない植物を見つけて、「なぜだろう?」と考えること。
そして、その答えを知りたくて、また来年も観察してみること。
そんな小さな発見も、植物を育てる楽しみの一つなのだと思います。


